「一番先に話した人」がリーダーになる

講演会などの最後に「では質問は?」と投げかけると、しばしの沈黙が続くことがある。実にもったいないなあ、と思う。

集団が形成されると、誰にそう言われたわけでもないのに自然にリーダー格になっていく人がいる。そういう人にはどんな特徴があるのか、これまでに多くの研究がなされてきた。いわば「リーダー資質」といったものがあるのか、という問題だ。皆から自然とリーダーとされる人には、なにか共通の特徴があるのか?背の高さ?知能指数?学歴?ルックス?育ち?いいや、みんな否定された。

結局わかったのは「一番先に話し始めた人」だということ。

集団が形成されて、その中で一番先に話し始めた人が、リーダー格になっていくのだ。一番先に話した人のことを周囲の人は、より知的で、エネルギーに溢れ、人格に優れていると考える傾向がある。人の認識の歪みをバイアスという。一番先に話し始めた人に対して人はポジティブなバイアスを持つのである。

この性質を利用しない手はない。

君は、「なにか質問はありますか?」と言われて、なんとなく聞きたいことがあるのにモジモジと他の人が最初の質問をするのを、まさか待っていたりしないだろうか。それはみすみす他者に対する影響力を手にする機会を逃しているということだ。

やらなければならないのは、聞きたいことなどないのに何をさておいても一番先に質問する、ということだ。別に質問の中身はどうでもいい。とにかく、集団のなかに身を置いたら「一番先に話し始めた人」になることを心がけよう。