Thursday, August 23, 2012

年々歳々花相似、年々歳々企業不同

表題はもちろんパロディで、実際は

年々歳々花相似、年々歳々人不同

という唐詩選の歌です。

意味は・・・栄華は移ろいやすいものだ、という感じでしょうか。

実際には、

洛陽城東桃李花  洛陽城東 桃李の花
飛来飛去落誰家  飛び来たり飛び去って誰が家に落つる
洛陽女児好顔色  洛陽の女児 顔色好し
行逢落花長歎息  行くゆく落花に逢うて長歎息す
今年花落顔色改  今年花落ちて顔色改まり
明年花開復誰在  明年花開くも復た誰か在る
已見松柏摧為薪  已に見る 松柏の摧けて薪となるを
更聞桑田変成海  更に聞く 桑田(そうでん)の変じて海と成るを
古人無復洛城東  古人無復洛城の東に無く
今人還対落花風  今人還た対す 落花の風
年々歳々花相似  年々歳々、花相い似たり
歳々年々人不同  歳々年々人同じからず
寄言全盛紅顔子  言を寄す 全盛の紅顔の子
応憐半死白頭翁  応に憐れむべし 半死の白頭翁

という長い詩の一部です(赤字部分)。

で、ちょっとしたことを思い出して、これは「人不同」とするよりも「企業不同」とした方が面白いな、と思ったものですから遊んでみました。

そのちょっとしたこと、というのはバブル絶頂期、1989年の時価総額世界ランキングの順位です。

これを今から見返してみると、上位20社のうち日本企業がなんと15社となっています。一位はNTT、二位が日本興業銀行となっていて、以下、日本企業がズラ~と並んでいます。

まさしく、世界最強の経済国家だったんですねえ・・・日本興行銀行の時価総額は、当時のゴールドマン・サックスのおよそ10倍となっていて、もちろん金融機関の時価総額としては断トツの世界最高額です。

巨大で稠密でパノラミックな作品で知られる写真家のAndreas Gruskyは大好きなフォトグラファーの一人ですが、彼の作品に東京証券取引所を俯瞰で取った一枚があります。


人やモノや家畜やゴミがワシャ~ッ!と集まった場所を俯瞰で撮る、というのがグルスキーの十八番だから、これもその一環で取られた一枚だと思うのですが、やっぱり一流の写真家の嗅覚というのはスゴイものだな、と改めて考えさせられるのが、この写真をグルスキーが撮ったタイミングです。

グルスキーは、まさしくバブル絶頂期の1989年にわざわざ日本を訪れてこの写真を撮っています。

日本の強さが永久に続くと、当の日本人はもちろんのこと、世界中の人が考えていた時に、なぜ、このタイミングで東京証券取引所の写真を残しておこうとグルスキーが考えたのか?

それはわかりませんが、撮るべきタイミングをやはり逃さないな、と改めて思うわけです。何かに引き寄せられたのかな?東京証券取引所を突き抜けていくリビドーの総量は、この時期が最高だったでしょうからね。

一方で、Marketgeekが先日発表した2012年3月時点での時価総額の世界ランキングを見てみると、上位20社の顔ぶれは、
米国企業=13社
中国企業=03社
あとはオランダ、英国、韓国、ブラジルが一社ずつとなっています。

日本企業はトヨタ自動車の36位が最高位ですね。

ふう・・・

たった、20年ちょっと前の話ですよ・・・

だから、年々歳々花相似、年々歳々企業不同、と思ってしまったんですよね。

でも、これって逆のことも意味していますよね。

たった20年でランキング上位の日本企業は、ランキング外に脱落するどころか、破綻したり消滅したりしている会社も多くいのですが、ということは逆に現在上位にランクインしている米国企業が、20年後にやっぱりそうなっているかも知れない、ということです。
僕らに出来ることは、昔は良かった、とノスタルジーに浸ることではなく、20年でランキングなんていくらでもひっくり返る、つまり、ファイヤーアーベント風に言えば、

Anything goes!

だということではないでしょうか。

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