Friday, August 10, 2012

小さなリーダーシップが世界を変える





多くの人は、自分が世界の変革に影響を与えられる、とは考えていません。

世界を変えるなんていうことが出来るのは、大統領か大企業経営者か革命家であって、毎日会社勤めしながら世知辛い悩みに身をやつしている自分に、そんなことできるわけがないでしょ、という考え方です。

つまり、世界を変えるのは「大きなリーダーシップだ」という考え方です。

これはこれでわかるのですが、実は世界という船が大きく舵を切るきっかけになるのは、意外や「小さなリーダーシップ」だったりするんじゃないか、というのが最近考えていることです。

例えば米国の公民権運動のきっかけになったのは、たった一人の黒人女性=ローザ・パークスが、バスの白人優先席を空ける様に命じられた際、これを断って投獄された、という小さな小さな事件がきっかけになっています。

いわゆるバス・ボイコット事件ですね。

ローザは当時工場に勤める女工さんで別に運動家だったわけでははありません。この事件も、別に革命を起こそうとか公民権運動を主導しようといった意図があって起こしたわけではなく、ただ単に「疲れていたから立ちたくなかった」と彼女は述懐しています。ただし、席を立て、と言われた時に、自分の中の価値観やルールに照らして理不尽だと感じた彼女は、それに従わなかった、ということです。ここで発揮されているのはごくごく小さなリーダーシップでしかありませんが、その小さなリーダーシップがやがてアメリカの歴史そのものを変えていく様な大きなうねりになって全米の運動につながっていくことになります。

サイエンスライターのマーク・ブキャナンは、その著書=歴史は「べき乗則」で動く、の中で第一次大戦ン勃発の原因となったオーストリア皇太子の暗殺が、皇太子を乗せた自動車の運転手の道間違いによって発生している事例を取りあげて、歴史というのは大きな意思決定よりも、どこかで毎日行われているようなちょっとした行為や発言がきっかけになって大きく流れを変えるという、カオス理論で言及されるところのバタフライ効果について論じていますが、バス・ボイコット事件もバタフライ効果の発露と言えるかも知れません。

世界を変える?そんなのは政治家や大企業経営者の考えることだよね。僕にそんなこと出来るわけじゃいじゃない、と殆どの人は思っているかも知れません。

ですが、このローザ・パークスの話は、もしかしたら、あなたのオリジナルな価値観に基づく行動や発言が、100年後の世界のあり様を「それがなかった時」とは大きく変えることになるかも知れないということを示唆しています。そう考えると「自分の中のルール」に従って、世の中に対してアンチテーゼを提案して行く、というのが僕らの発揮できる「小さなリーダーシップ」の第一歩なのかも知れません。

写真はローザ・パークス氏。

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