Saturday, April 30, 2011

成長カーブ

一ヶ月間、ネット環境の貧弱な京都で中世の暮らしをしていましたが、先日東京に戻ってきました。それはともかく、一昨日にサイクリングしながら思ったこと。

人材育成の議論においては、よく「成長カーブは人それぞれ。急に立ち上がる人もいるけど、すぐには立ち上がらず、後になって急激に伸びる人もいる」ということが言われます。コンサルティング会社でも、これはよく言われることなのですが、現実にはなかなか立ち上がらない人は、やはり結局は難しいことになる、というのがコンサルティング業界での真実でもあります。例えば戦略系コンサルティング会社では、待てるのはせいぜい2年という実体があります。

「栴檀は双葉より芳し」と言うことで、活躍するコンサルタントは最初からその片鱗を見せるものだ、という認識があるのかも知れません。一方で、「大器晩生」と言う言葉もあるのですが、なかなか将来の大器の予感を信じてじっと成長を待つ、というのが難しいのが現在の企業環境でもあります。

で、以前から、「このテーゼは本当なのかな」と考えていたのですが、サドルの上で自転車をシャカシャカ漕ぎながら急遽思いついたのが

ジョージ・ハリスン

の例です。ビートルズに詳しい人にはあまり言う必要もないのですが、初期のビートルの楽曲は圧倒的にポールとジョンの曲が秀でていて、ジョージの曲というのは、なんというかその、つまんないのが多いですよね。ポールとジョンに乗っかったコバンザメ戦法で売れているという感じだったのですが、先日、久しぶりにアビーロードを通しで聞いてみて、

これはつまり完全に、ポールとジョンの水準に、ジョージが追いついたアルバムだな

と思ったわけです。具体的には「Something」と「Here comes the sun」の二曲なんですが、これを聞くと完全にポール、ジョン、ジョージの楽曲のレベルがバランスされたな、という気がするんですね。

アビーロードはビートルズ最後のアルバム(発売はレットイットビーの方が後だけど、録音はアビーロードの方が後で、そもそもメンバー自身が、このアルバムが最後だと思っているのが大事)だけど、そのまさにVery lastのアルバムで、メンバー自身のポテンシャルとパースペクティブが叩き付ける様に出てきていることに震撼すると、これはむしろ本当のビートルズのデビューアルバムだったのではないか、という気さえしてしまう。

ビートルズのデビューは、まあ1963年前後ということになっているけど(今の様に、レコード会社がコントロールしていないのではっきりしない)、その頃から数えて、ポールとジョンは自分の明確な個性を曲に炙り出すのに3年くらいかかっているけどジョージは7年程かかったということですね。

でも、これがコンサルティング会社だったら7年は待てないのが実情。きっと、ものすごくいい個性を発揮してくれる宝石の様な若手を「立ち上がりが遅い」という理由だけで、たくさん切ってしまっているんだろうな、という気がするんですよね。

成長を待てない自分を発見したら、Somethingを聴くといいんじゃないでしょうか。

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