手書きとパワポ

「団塊・シニアビジネス 7つの発送転換」より

フランスのポンピドーセンター新館の設計者に選ばれ、パリを拠点に ヨーロッパ、アメリカなど国際舞台で活躍する建築家、慶応大学教授の坂茂氏は次のように言う。

「コンピューターの進化は建築の進化に役に立っていません。むしろ弊害になっています。もちろん、私の事務所もグローバルに展開しているわけでコミュニケーション手段として電子メールなどは使っています。しかし、よい建築をつくることに寄与していません。数値化すると数字に頼るようになり、CADを使うと一本の線を引く間に考えることをしなくなります。コンピューターを使って情報を蓄積するとただそれを寄せ集めるようになり、建築教育にもよい影響はありません。CADはもちろん使っていますが、新人には鉛筆で図面を引かせています。線を書く間にいろんなことを考え、いろんなことに気付くようになるからです」

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そう言えば、安藤忠雄さんの事務所もメール禁止だったな、と思い出しました。

「線を書く間に考えなくなる」と言う指摘が実にいいなと思います。

コンサルティングでも大量のスライドを作成しますが、僕はなるべく今でも手書きするようにしています。もちろん手書きのままクライアントに出すわけではなく、それをパワーポイントに落としてくれるスタッフがいるのですが、最初からパワーポイントで作ってしまうと、まさにこの「書く間に考える、ということをしなくなる」というのがよくわかります。線を引くときに息を止めて「スーッ」と書くとき、頭が全開するの、わかるんですよね。



この感覚を一度つかんだ人がパワーポイントでものを作るのはいいかも知れませんが、手で描きながら、手が考える、という感覚をつかまずにパワポの技術ばっかり磨くとゴミみたいなスライドばっかり作る変な職人さんみたいになっちゃうんですよね。

個人的には手書きのスライドは、手書きのままクライアントに出したい、それくらいにきれいに書くのですが、広告代理店ならともかく、そういうわけにもいかずパワポのスライドを提出しています。

自己防衛機能

最近、プロジェクトがかけもちになっていて大変忙しいのですが、興味あるテーマで非常に楽しみながらやっています。

一つは、某大企業での「10年後の日本はどうなるのか?」の研究プロジェクトで、もう一つが経済産業省さんから受託した「日本の文化産業の競争力向上」の戦略作りのお手伝いです(こちらは名前を出していいことになっております由)。

で、いろいろと考えています。

その考えたことをこれから少しずつここに書こうと思いますが、まず最初。

「若者が消費しなくなった」と言われますが、これって人類の防衛機能が働いているということなのではないでしょうか。中国が経済成長することで環境負荷が爆発的に増大することが懸念されていますが、一方の既に経済成長を遂げた日本の若者がどんどん淡白になっていって、欲しがらない、働かない、となっている。

これは日本の成長ということからすれば困ったことなのですが、環境的には非常にいいことになるわけです。

つまり、彼らはニュータイプなのではないか、ということです。地球の環境負荷を減らすために、今までのパラダイムとは違う思考様式で生まれるようプログラムされている新しい人類なのではないか、と思ったわけです。

また書きますね。