Saturday, October 31, 2009

サステナビリティと経営学 足立辰雄/所伸之

”世界でも最も早い時期から環境問題にとりくんできたのは、スカンジナビア三国を中心とする北欧諸国であった。北欧諸国が環境問題に特に熱心であったのは、1940年代以降、これらの国々における自然環境や建造物に対する酸性雨の被害が、先進工業国であるイギリスや大陸ヨーロッパを上回る勢いで拡大していったことにある。

北欧最大の工業国であるスウェーデンでは、40年代以降、森林が枯れたり湖沼や河川に生息する水生生物が大量死するなどの現象が顕著となってきたため、その原因究明に力が注がれてきた。その結果、これらの現象は大気汚染物質を原因とする酸性雨が、土壌や湖沼を酸性化することによってもたらされることが次第に明らかにされてきた。

しかしながら、時刻の経済活動で排出される二酸化硫黄や窒素酸化物の量で、なぜこれだけの酸性雨被害が発生するのかについては容易に解明できずにいた。

そこで土壌学者のスバンテ・オーデンなどが中心となり、酸性雨に含まれる汚染物質の調査をさらに進めて行った結果、67年までに、

1:スウェーデンやノルウェイに酸性雨被害を与えている二酸化硫黄の90%、二酸化窒素の約80%が、イギリス、ドイツ、ポーランドおよびフランスなどの工業地帯で排出されたものであること
2:これらの汚染物質は、偏西風などによって北欧諸国へ運ばれていること
3:60年代以降、大気汚染対策としてイギリスや西ドイツで実施された高煙突化政策が、北欧への越境大気汚染を一層加速させたこと

を明らかにした。

ノルウェイでは、1910年代からサケの大量死などが観察されたが当時は原因がわからずにいた。酸性雨の被害が顕著になってきたのはスウェーデンと同様1940年代に入ってからで、特に南部の湖沼では40年〜80年代にかけて半分以上の魚種が絶滅へ追い込まれた。

また、86年に国内105の湖沼を対象に実施された政府調査では、魚類が死滅してしまっている湖沼が52%にもなった。現在でも、水生生物が存在しない湖沼の合計面積は約1万3000㎢もあり、魚が減少傾向にある湖沼も含めるとその合計面積は優に3万㎢を超える。


世界で最初に産業革命を成し遂げた英国は、大気汚染と酸性雨に恒常的に苦しめられてきた。これは、工場でのエネルギー源として石炭が大量に使用されたことが原因である。

首都ロンドンのスモッグは年々発生日数を増加させて行き、しばしば多くの人命を奪った。1873年のスモッグでは約700名が亡くなり、1952年には数週間のうちに4000人の市民が気管支炎や心臓発作で命を落として史上最大のスモッグ事件として世界中に知られることになった。

この事件の後、政府は大気汚染調査委員会を設けるなど、その対策に力を入れ始めることになるが、このじてんではまだ排煙脱硫装置がなかったこともあり、実際に取られた対策は煙突を高くして工場近隣の二酸化硫黄の濃度を薄める、といった程度のものであった。

環境経営の事例:池内タオル

グリーンピースの活動の特徴:環境破壊の可視化と当事者責任の追及を、非暴力的な直接行動によって成し遂げる