パソコンを隠せ アナログ発想でいこう! D.A.ノーマン

ヒドいタイトルだが読了。


■一般に人はテクノロジーの即効的な影響を過大評価して、長期的な影響を過小評価する傾向がある
:例えばグーテンベルグの活版印刷は100年かかって全欧州に広がった。歴史的な視点で見ればこれは急速な普及だが、その時代に生きている人からすれば数世代に渡る変化になる
:電話の発明は1875年で普及し始めたのは1900年代
:飛行機の原理は1800年代の終わり頃に考案され、実際に成功したのは1903年で、商業化されたのはその後30年たってから
:ファクスの発明も1800年代の中頃だが普及したのは1980年代から

■初期参入者が勝つとはかぎらない
:ドゥリエーは米国最初の自動車会社だが消えた

■インフラの標準化は事業がテイクオフする条件
:アメリカでは、政府がFMステレの標準形式を制定した結果、音響機器業界やラジオ局は栄えた
:一方、AMステレオの方式選定は市場の趨勢に任せることにした。その結果、いくつかの方式が現れたがどれも生き残らなかった。放送業界は、どの方式がスタンダードになるかを見極めてから放送開始しようとした。受信者は、ラジオ局が十分に増えてからラジオを買おうと思った。

■カメラは記憶を邪魔し、スケッチは記憶を強化する

■これからも、新しい物は出てくるだろう
:1899年に、当時の米国の特許庁朝刊であるチャールズ・デュエルは「発明されるべきものは既に全て発明された」と宣言した
:いま現在、我々は今日のテクノロジーの世界は、歴史上のどの時代とも異なって特別である、と考えがちだが、そうではない

■フォーカスグループはもはや意味がない調査手法だ
:顧客に新しい価値を提案できる商品は参与観察とプロトタイピングから産まれるだろう
:一方で、これまで重宝されてきたフォーカスグループインタビューは、効力を失うだろう
:フォーカスグループは、様々な点で、今日の商品開発の手法にそぐわなくなっている
:まず、フォーカスグループの対象者は、意識的で合理的な回答をするが、実際の彼らの現実の毎日の行動と回答は、多くの場合一致していない
:一致していない以上、毎日の生活の中で生じる不満や不便、不利益は「実際に観察することによって」しか把握できない
:またフォーカスグループは、一般に、こころの奥底にある願望や思いを引き出すのではなく、こう答えるべきだという思い込みを引き出してしまう傾向がある
:実験心理学では、人は、自分の行動の理由を説明するときに俗説を作り上げてしまう傾向があることを明らかにしている
:こういったフォーカスグループにおける、本音ではないリクエストや不満の数々が、現在の携帯電話の無意味な機能の付加、パソコンや家電の大混乱を招いている

■顧客は誤っている
:まず、現在の顧客は、現在顧客でない人たちよりずっと数が少ない
:従って、現在の顧客に最適化していくことは、現在顧客でない人たちを、さらに遠ざけることになる
:現在顧客である人たちよりも、将来顧客になるかも知れない人たちに目を向けよう