Sunday, August 30, 2009

デザイン経営力

建築家の安藤忠雄氏、イタリア人以外で初めてフェラーリのデザイナーを努めた奥山清行、アウディのデザインを刷新してブランド再興につなげた和田智、インディペンデントのデザイナーでMUJIのクリエイティブ・ディレクターも務める深澤直人などなど、「個人」という単位で見てみると、デザインの分野で世界の最先端を走っている日本人は、実は結構居ます。

これが、企業という単位で見るとからっきしダメになるのは、一体どうしたことなのか?

歴史を振り返ってみても、例えば浮世絵は当時行き詰まっていた西洋絵画に新しい地平を提示しているし、日本に寄留した建築家のブルーノ・タウトは桂離宮の美しさに泣いてしまった、というエピソードもあります。

こういうことをいろいろと考えてみると、日本人は模倣は上手だが、クリエイティビティは無いと、なんとなく漠然と共有されている風評があまり正確ではないのではないか、という気がしてきます。

ではなぜそんな評価がグローバルに、何となく根付いているのか、と考えると、恐らくそれは個人単位では発揮される世界的に最高度のクリエイティビティや美意識が、企業単位になるとなかなか発揮されず、どうも二番煎じの様なものになりがちだ、ということから来ているのではないでしょうか。

グローバルの家電製品マーケットのシェアを韓国企業に奪われてしまった日本ですが、同じ様な現象は恐らく自動車業界において中国やインドを相手に起こるだろうと僕は思っています。恐らく品質レベルでは早い段階で日本と遜色ないものを出して来ることになるでしょう。それも恐ろしく低コストで。

そうなった時に日本が対抗して行ける軸はナンなのか?通常こういった議論が行われると真っ先に言われるのが「イノベーション」という解答で、これはこれでありなのだろうけど、僕はデザインというのも、大きな競争資源になるのではないか、と考えています。

サミュエル・ハンチントンは、日本をして単一の文明圏であるとしてアジア文明とは別個のものであると位置づけていますが、日本民族が持っている美意識というのは非常にユニークで、これは差別的優位性を構築する貴重な競争資源になるのではないか?

事実、個人単位で見てみると、ユニークな美意識を武器にして世界で戦って競争優位を構築している事例は枚挙にいとまが無い。問題は、個人が持っている美意識をいかにプロダクトにつなげていくか、というマネジメントの問題だということになります。

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